神話概要 1 (世界の誕生と、神々の誕生){オリジナル小説 SINFONIA(シンフォニア)の神話概要 その 1 です。}

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神話概要 その 1
世界の誕生と、神々の誕生

  オリジナル小説 シンフォニアの神話です。
  ここでは世界の誕生から神々の誕生までを掲載しています。
世界の誕生

  虚無より、全世界である天空が生じた。
 天空とは、天(空間)が時間の流れに沿って動いているのみであり、全ての存在に意思は無かった。

最初の意志

  幾時が経ったか、計りようも無い時の経過の後、虚無より、天空に唯一つ(ただひとつ)の意思を持つ存在として、カルクライズなる物が生じた。天空と同じく、虚無より生まれた彼は、天空とは兄弟にあたるのだが、その中で、唯一つ意思を持つ存在であるが故に、天空の中に、自己の都合のよい世界を創り上げて行き、天空の調和は保たれなくなって行った。

神々の誕生

  天空は、無意思だが、世界の均衡が崩れようとした時、調和を保とうと自然に働き、その結果、二つの意思を持つものを生み出した。
 天空を構成する二大要素である、天と時の力をそれぞれに持つ神の誕生である。
 二神は、天の力を持つギドニアと、時の力を持つメザーとして天空に生まれた。

カルクライズと神の対立

  それまで、天空に存在した、唯一つの意思であるカルクライズと、調和の方向に動こうとする二神が対立するのは当然の帰結であった。
 しかし、虚無より生じ、無限に近い力を持つカルクライズが二神を圧倒し、天空の均衡は保たれることは無かった。

  天空は、均衡を保つために秩序と混沌の意思を持つ次の神々を誕生させた。
 秩序を司るベルムと、混沌を司るバギムである。
 しかし、この二神を加えてもカルクライズの意思の力には遠く及ばず、天空はカルクライズの意思で支配されつつあった。

カルクライズの使徒

  一方、カルクライズは、自己の世界を完結させるため、使徒として生物を作り出し始めた。同じ虚無から生じた天空に可能なことは、彼にも可能であった。

  その生物は、使徒と呼ばれ、合計六体が創り出された。
 緋色の使徒ベイバロン、灰色の使徒サンメリーダ、ゴルゴンの使徒と呼ばれる三姉妹であったトリュシフォーネ、マゲーナ、メデューサ。以上は全て、カルクライズとは違う形で創り出された。つまり女性の身体を持っていたのである。
 天空により作り出された神々も、カルクライズと同じ男性の形であっため、世界で最初の女性の誕生でもあった。
 カルクライズは、最後の使徒のみ、彼と同じ姿をした男性の使徒を創造した。ジル・ドレである。

  カルクライズが、彼に仕えるべき使徒を作り出したことで、世界の均衡は大きく崩れ始めた。天空は、その存在を保つべく、神とは違った生物を創造した。

天に創造されし始めての人
−ハディート−

  天空は、神のように、力の根源が明らかなものではなく、より調和の取れた存在として、人間を生み出した。天により創造されし始めての人、調和の使者ハディートである。

  善悪、秩序と混沌、それらが同居しつつも、均衡が取れた意思を持つ、人であるハディートは、ソリアという調和の力を用い、カルクライズの意思の力を弱めた。
 しかし、ソリアの力を持ってしてもカルクライズの意思の力は、神々のそれを凌駕していた。

  無限の意思に傾く天空を保つため、全てを生み出した虚無が、全ての存続のために最後の創造物を世界に送り出した。

虚無の力を持つ権と使いし物
−バイシャ−

  虚無が生み出した最後のものは一本の剣と、それを持つバイシャと呼ばれる生物であった。
 バイシャはハディートの調和の力を借り、カルクライズを虚無に封印すべく戦いを挑んだ。
 メザー、ギドニアら神々の根源の意思と、ハディートの調和の意思、そして虚無の力の融合に、さしものカルクライズの意思も潰え、ついに、虚無に彼は封印された。

カルクライズの最後

  カルクライズは虚無に封印される前に、自らの敗北を認め、それと共に、未来における自身の復活のための礎を残した。
 彼は、彼の持つ強大な意思の力の一部を、彼の使徒に分散させ、復活のための儀式の手法も使徒たちに託した。

  カルクライズの意思の力を打ち砕いたバイシャの使いし虚無の力を持つ剣は、カルクライズの意思の力と共に砕け散り、神々と、ハディートの調和の意思を一身に集めたバイシャの精神も、半分になってしまった。
 世界に強大な意思の力はなくなり、天空は複数の意思と、それの調和により保たれるようになっていった。

神々の世界

  カルクライズが封印され、調和を取り戻した世界を支配したのは、神々であった。
 しかし、カルクライズとは違い、複数の意思の調和と対立による世界は、世界が一つの方向に進むものではなく、天空の存続には、ふさわしい環境であった。

  神々の世界は、最初に天空により生み出されたメザーとギドニアが主神となり、次いで誕生した、ベルムとバギムが副神に、その力を半分失ったバイシャは三神として君臨した。

  天空は更なる安定を求め、三神として、愛の女神フローディア、暗黒の神ゼヴァー、精霊の神ヴォール、知恵の神ラーバス、龍の神ル・ケブレスを創造し、さらに下位の四神、五神をも創造した。ただ、その中に、天空により作り出されていないものが、紛れ込んでいたことは誰も知らなかった。

  神々の世界は、合議制で統治された。
 各々の神は、自らの領域を作り、そこの主として存在した。

  神々にとって最大の懸念は、いつの日にかやってくるであろう、カルクライズの復活であり、神々は、それに備え、彼を今度こそ打ち倒すことの出来る、虚無の力を蓄える器となる物の必要を感じていた。
 その器の形状は、かつて彼の意思を砕いた虚無の剣と同じ剣が選ばれ、神々は力を合わせ創作し、死の煌きの剣と名づけ、虚無にそれを投げ込み、その力を蓄えさせた。

各世界と天使の創造

  神々は自らの領域に自らの力を誇示するべく生物を創り出すことを考え始めた。
 そのためには、神々の住む世界と、それ以下の世界を分ける必要があったため、まずは彼らが住むべき世界を天界(HIMMEL)とし、その下に物質界、精霊界、魔界を創造した。

  各神々は、自らの領域に生物を創造するにあたり、神々と同じ天界に、自らの姿に似せた天使を、直接支配するものとして創り出した。
 また、天使を創り出さなかった神は、それぞれ別の生物を創り出した。
 精霊の神ヴォールは炎、氷、風の三つの精霊力を持つ幻獣神獣サイファを、龍の神ル・ケブレスは自らと同じ姿の煌龍を創り出した。

  ただ一神、直接支配できる者を創り出すのに失敗したゼヴァは困惑し、ある者から教えられた、天空が創り出した最後の生物と伝えられし存在を、虚無に近い場所で見つけ、それを支配下に収めようとしたが、それは友好的ではあっても、支配出来うる物ではなかった。
 しかし、ゼヴァは、この生物と友好関係を築き、この生物に深紅の王 ”キング・クリムゾン”と言う銘を送った。

下位世界の住人たちの誕生
−物質界−

  神々と暮らしを共にするのは、天使達だけであり、それより下位の世界の住人は別に創り出された。
 まず神々は物質界に、共同で一つの生物を作り、送り込んだ。
 巨人王クロプスであった。
 この偉大にして強力な力を持つものの、知恵のない巨人王は、物質界にて破壊の限りを尽くし、物質界は三つの大陸と島々に分裂させられてしまった。

  この力を危険に感じた神々は、クロプスの身体を三つに分けてしまった。
 両足から作られた巨人は、単眼のモノクロプス。両手から作られた巨人は、三眼のトリクロプス、頭と胴体から作られた巨人は両眼のジクロプスとなった。

  それぞれ左右があった手足から作られたモノクロプス、トリクロプスには、オスメスが生じ、その後、繁殖し、数も増えて行ったが、左右の区別が無かった胴体から生じたジクロプスは、一体のみしか存在しない分、他の二種よりも巨大であった。
 頭以外から作られた巨人は、生存するための本能しか持たず、多少の知恵を持ち、身体も巨大なジクロプスが巨人王として君臨した。

下位世界の住人たちの誕生
−魔界−

  魔界には、ゼヴァのたっての頼みとあってキングクリムゾンの住居となった。
 キングクリムゾンは自らの世界を得て、四つの卵を放出した。
 そこから生まれた、スカルプチュア、ククリ、クイダリア、バーズテイルは魔界の東西南北を支配する魔神となった。

下位世界の住人たちの誕生
−精霊界−

  精霊界は、当然の如く、精霊の神ヴォールの支配下にあるため、四元素の精霊王が君臨した。
 炎の精霊王バルカン・アポロン、氷の精霊王ハイランダー・アスガルド、大地の精霊王ベヒモス・ジヴァ、風の精霊王ジン・ザスパーである。

各世界の繁栄 −物質界−

  物質界では、巨人が増加したものの、繁殖力は弱く、物質界は活気に乏しかった。そこで、神々はより小型で、力は貧弱ながら知恵を持つ人間を創り出した。

  天空が作り出した人であるハディートがモデルになった、この人間は、彼と同じく全ての意思の力を持ちつつも、調和によって均衡を保っている存在であり、彼らの繁栄こそが、全世界の調和につながると神々は考えた。

  人間は神々の想像を超えて増加し、食糧となるべきものが不足したため、食糧となるべき生物も次々と創り出し、物質界の基礎は完成した。
 さらに神々は、人間と形状の違う知的生命体をいくつか創り、これを住まわせた。彼らは俗にデミヒューマンと呼ばれるが、調和と均衡の力を持つ人間とは違い、胎内に宿る精霊力においても、秩序と混沌においても、偏りがある存在であるため、総じて人間よりも劣る生物であった。

  例えば、耳が長いエルフは、人間に負けず長命だが、力は弱く、世界と交流する力が無かった。豚の顔を持つオークは、人間以上の繁殖力を持ちながらも、知恵が無く、大きなコミューンを作る力はなかった。

各世界の繁栄 −魔界−

  魔界はキングクリムゾンと、四大魔神以外の生物の誕生は無かった。広大な魔界の全てを彼らが支配しているわけであるが、彼らは気ままにその領域を動き回るだけであったので、彼らが訪れなくなった魔界の深遠に、三人の魔物が、彼らの知らぬうちに住み着いていた。

  魔界の繁栄こそ自らの力になると信じていたゼヴァは、魔界を七つの領域に分割した。
 そして、第三から第六までの広大な地域をキングクリムゾンと、四大魔神に与え、最も物質界に近い部分を二つに分割し、第一世界、第二世界と分け、新たな魔界の王を作り出し両世界をそれぞれに与えた。

  最下層の第七世界は、住みついた三人の魔物に与えられた。この理由については不明であったが、キングクリムゾンの存在を、ゼヴァに教えたものが、そうすることを勧めたとも伝えられている。

各世界の繁栄 −精霊界−

  精霊界では、各精霊王の元、次々と精霊が誕生した。上位精霊たちには意志の力があり、それぞれ、物質界にも影響力を誇示するようになりつつあった。
 これにより物質界に気温の寒暖、高湿と乾燥地帯の出現が起き、火山、砂漠、海、湖、川などが完成した。

  これらは、意思を持たぬ下位精霊達の力で維持され、精霊界における、上位精霊の力関係により物質界の地形や気候は、変化することになった。

  また、上位精霊は物質界にも出入りし、物質界に直接下位精霊を生み出すことで、地勢、気候は、より顕著になっていった。

冥界の誕生

  物質界での人間の増加は著しく、神々は、このままでは物質界のバランスが破壊されると考え、人間や、他の生物に寿命を作った。
 そうなると死せる者の世界が必要になり、冥界が作られ、そこの主には混沌の神バギムが君臨し、物質界と冥界とのバランスを保つ役割を果たした。

下位物質界の誕生

  最初はうまくバランスが取れていた物質界と冥界の行き来だが、時間が経つにつれ、冥界と物質界だけではバランスを保つことが難しくなってきた。
 そこで神々は、冥界と物質界の行き来の調整を行うために、より寿命が短い人間を創り、それを住まわせる場所として物質界を二つに分割した。

  そして、新たに、冥界から、どちらの物質界に送り返すかを決める担当として、死の神ディスを任じた。
 これにより、長い期間、物質界ないしは、冥界の人口が増大したままである状態が解消された。

  尚、上位物質界はパトリアエ・マテリアル、下位物質世界はプライム・マテリアルと神々から名付けられた。

幻の大地
−クレルモンフェラン−

  神々が作り出した世界とは別に、神々が関与できぬ存在として、調和の使者ハディートがあった。
 彼は全世界の調和の象徴であり、また、その力の権現でもある。ハディートは、神々とは違った観点から、世界を律し、神々を監視する存在であり、神々とは別世界に存在した。  そこは神々ですら影響を及ぼすことが出来ない幻の大地、クレルモンフェランと呼ばれていた。
 クレルモンフェランは、物質界と天界の間に存在し、物質界と天界の接点である聖峰ガンガジュルシュルの頂上の一角に存在した。

  ハディートは、世界の均衡を計るために二枚の金貨と一つの天秤を作り出し、それを用いて、世界の均衡を計測した。
 すると、各世界で精霊力の均衡が保たれていないことが判明し、ハディートは、神々に警告を発した。

  神々は討議の上、その原因が、精霊神ヴォールが作り出した、幻獣神獣サイファにあると判明し、ヴォールは責任を感じ、サイファを自らの手で封印することを提案した。

サイファとアリアールの道

  神々の決議を、ある天使から知らされたサイファは怒り狂った。  神の下僕として、神が勝手に、神より劣るように一つの精霊力を失った状態で創り、それが原因となった均衡の乱れで、封じる言うのか。

  サイファの怒りに呼応して、ある者が近づき、サイファに耳打ちした。  「二つの物質界と、魔界をつなぐ一本の道を作るがよい。そこを通って、汝を救い出すものがいずれ現れよう。」  サイファはその忠告に従い、魔界の第一世界と第二世界の王と、神々から忘れ去られていた巨人の王ジクロプスと共に、三つの世界を結ぶ一本の道、アリアールの道を創りだした。

サイファの封印とアリアールの大迷宮

  サイファの行動は、神々の怒りを買った。ヴォールはサイファを封印するにとどまらず、サイファの肉体を粉砕し、知恵の神ラーバスが作り出した一本の角にその魂を封じ、その角を、サイファが持たぬ唯一の精霊力である大地の精霊王が住む洞窟に封印し、大地の精霊王が苦手とする炎の精霊力を弱めるため、氷の精霊王を、その洞窟がある、物質界のガスラント島に配した。

  サイファに協力した魔界の二王は、復讐の神デルタ・フォン・ストルツィンにより、永遠に争い続けるよう強制命令(ギアス)の呪文がかけられ、ジクロプスは一定期間、人間の奴隷として働き続けることを科せられた。

  サイファが作り出したアリアールの道も放置できなかった。魔界の住人が、物質界にまで影響を及ぼすからだ。
 神々は幸運の神 V 、盗賊の神パッスルホップ、鍛治の神バルゼムらが中心となり、一本の道を巨大な迷宮に造り替えた。

  また、神々は天界と物質界を結び、その頂上にクレルモンフェランがある聖峰ガンガジュルシュルにも迷宮を作り出すことを思い立ち、ハディートの許可を得て、これも完成させた。

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