神話概要 6 (プライム・マテリアル界の異変){オリジナル小説 SINFONIA(シンフォニア)の神話概要 その 6 です。}

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神話概要 その 6
プライム・マテリアル界の異変

  オリジナル小説 シンフォニアの神話です。
  ここではパルテブランの帰還後のプライム・マテリアル界の、変貌について掲載しています。
パルテブランの退去後の世界

  パルテブランに去られたプライム・マテリアル界は、最初のうちは彼が帰ってくるものと信じ、彼を恐れ安定していたが、そのうち各都市が独立し、争い始めた。

プライムの地殻変動

  その後しばらくして、プライム・マテリアル界に異変が起きた。各地の火山が大噴火し、潮流が変わり、いくつかの島は海底に沈み地形が変化していった。

  アリアールの大迷宮の入り口に配された聖杯も、この時の地殻変動で失われ潮流に乗って何処かの大陸に流れ着いた。

  プライムの地殻変動と異変は、気候の変化と疫病の流布をもたらし人口を激減させた。
 しかし、神々はこの変化に対して、手を施さなかった。
 ひとつには、自己の勢力を強めるため、冥界の人口を増やそうと考えたバギムが、ディスに命じ、死者をプライムに戻さなかったことがあり、もう一つには、それまで世界の均衡を見守っていたハディートの死により、世界の均衡を見分ける力が弱体化したため、そのことを神々に忠告する者が居なかったためでもあった。

  プライムはこの後氷河期になり、文明は失われ、人々は原始の生活をわずかな地域で行い、細々と生き残った。
 長い氷河期の間に、堆積した火山灰は、新たな大地となり、パルテブラン時代の都市などは地中に埋まった。この氷河期の間にデミヒューマンと極端に減少した人間との間の交流は途絶え、各デミヒューマンは、他の種族との交流を絶った生活を始めた。

プライムのその後

  氷河期は長らく続いていたが、それが去ると、再び人々は徐々に文明を取り戻し、各大陸で都市国家が出来、そしてそれは小国家に成長し、各地で争いが起き始めた。

  しかし、パルテブラン時代の高度な文明には到底及ばず、はるかに落ちる文化レベルの中で人々は生存していった。
 また、火山活動が激しかったアイーダ大陸では、未だに活火山が活動し、人々が住める環境ではなかった。

  プライムにそれなりの王朝が出来始めた時、シンフォニア界ではすでに第七十三代剣聖、ゴルラジアンらの時代であった。

  その後のプライムの歴史は、ベイバロン詩の本編で語ることになる。

プライムの国家の成り立ち

  プライムに作られた国家は、たいていが集落が長じて都市国家になり、それが小国家に発展し、いくつかの戦いの後、国家として成立するという過程であった。  ただ、いくつかの都市国家は、それがそのまま巨大化し、制度として王政ではなく有力者による合議制を採っている国家も存在した。

  一国で全てを賄える肥沃な大地に、こういう国家は多く、他国の侵略から守るためたくさんの傭兵達を募り国防に努めた。

  国家の成り立ちに違いはあれど、その構成はどこも似通っていた。
 指導者階級と、それに連なる貴族階級、そして平民と奴隷である。
 奴隷はどの階級も所持し、各種労働に駆り立てられる他、戦争になれば動員され兵士として戦うことも重要な仕事であった。

  各国の軍団構成もほぼ同じであり、貴族から構成される騎士団(全てが騎兵ではない。)、傭兵、奴隷兵が主だった構成要素であった。
 平民に軍役は無く、代わって奴隷を兵士として差し出す義務はあったが、自らが戦場に出る者は、極稀に存在した物好き位であった。

  たくさんの都市を治める大きな国家では、封建制国家が大半であったが、この場合も併呑された元の都市国家の指導者が、そのまま諸侯として、かつての支配地域を治めることが多かった。

人間以外の支配者

  プライムにはパルテブランにより連れて来られ、支配されていたデミヒューマン達がいた。
 彼らのうち、いく種かはパラケルススの実験材料となり人間と交配され、新たな種族が作り出されていた。

  プライムの地殻変動期に、彼らも激減したが、大半の種族は、それでもその困難な時期に耐え、生き残った。
 しかし、氷河期を境に彼らは基本的に人間と係わり合いを持たず、自分達の領域を守り生活していた。

  氷河期が去った後、アドール大陸北東部山岳地域に住むニーベルング族と、北西部にすむ巨人族は人間の集落を襲い、独自の国家を作り、勢力圏を拡大していくにつれ、人間の都市国家を支配下に収めた。

  ニーベルング族は山の民ドワーフと草原の民ハーフリングと人間から作られた新しい種族で、冶金に優れ、体格的には小さいながらも俊敏であり、数に物を言わせて各地を制圧した。
 一方、巨人族は、その名のとおり巨人と人間とを交配させて作られた一族で、本来の巨人よりは小さいながら、それでも人間の倍近い背丈を持ち、かつ、人間に近い知能を有しており、圧倒的な戦闘力で北西部を支配した。

  またドワーフ、ハーフリングらは人間の数が増えるとともに交流を深めるようになったが、エルフ、ノームらは他の種族との係わり合いを裂け、人間も彼らに干渉しようとはしなかった。

  巨人族も、ニーベルング族もその後、拡大路線を採ったが、それ以上領域を拡げることは叶わず、その他の地域の人間との抗争が各地で起こることになるが、この話もベイバロン詩の本編で、その一部を紹介することになる。

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